F.Ko-Jiの「一秒後は未来」

NTT再編のカギはgooとOCNの連携にある

以前から予想されていたことだが、遂にgooとOCNが一緒になることになった。形式上は、NTTコミュニケーションズがNTTレゾナントを統合する形となる。再編の概要については、asahi.comの「IP通信網一体化へ NTTがロードマップを発表」に掲載されている図が分かりやすい。レゾナントに加えて、東日本のぷららもNTTコムと統合されるようだ。

NTTコムの運営するプロバイダであるOCNは、プロバイダとして日本第3位の500万人の会員を保有している。仮にOCN専用のポータルサイトがgooになれば、gooにとってこれほどおいしい話はない。一気に500万会員を抱えるポータルサイトになるわけで、Yahooの対抗馬の筆頭に躍り出るのは間違いない。また、コンテンツ事業がイマイチだったOCNにとっては、gooの検索やポータルサイトとしてのコンテンツはとても魅力的である。OCNとgooの統合は両者にとってメリットが大きい。

しかし、問題点もある。むしろ、問題点のほうが大きいかもしれない。OCNとgooでは、競合するサービスがいくつか存在するという問題だ。OCNのブログ人とgooのgooブログ、OCNのOCN Music Storeとgooのgoo Music Storeなど。さらにNTT東日本の「ぷらら」が自社開発のブログサービス「Broach(ブローチ)」の試行サービスを開始する予定らしい。同じ会社がいくつも同じサービスを提供するのは、個人的に良くないと思っている。自社内で競合するサービスは淘汰されなければ、自社で潰し合いになっている間に他社にシェアを奪われかねないからだ。OCN Music Storeに限っては、コンテンツをそもそもgooから提供してもらっているように見受けられるので、統合は難しくないだろう。

さらに、IDの氾濫という問題がある。基本的にNTTコミュニケーションズが提供しているサービスは、IDが統一されていない。ユーザはサービスごとにIDを持っている。一方で、gooはポータルサイトであるゆえ、当然ひとつのIDでgooのすべてのサービスが受けられるようになっている。gooのサービスにNTTコムのサービスを組み込もうとすると、一番問題となるのはIDの統合もしくは連携だろう。

最後に、まだあまり有名ではないが、NTTコムは「ちょコム」という電子マネーのサービスを提供している。有名でなく使い勝手があまりいいとは言えないわりには、電子チケットぴあではクレジットカードかちょコムのどちらかの決済しか採用してなかったりする。楽天市場では約2500店舗でちょコムを利用することができる。現在、ポータルサイトはほとんどが独自の「ポイントサービス」を提供しているが、gooはまだポイントサービスの提供をしていない。NTTコムとの統合を機に、電子マネーちょコムをgooのポイントサービスとして採用すれば、ポータルサイト初の試みとなるので、何か面白いサービスができるかもしれない。

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著者について

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F.Ko-Ji

Webエンジニアやってます。最近は ドットインストール の開発がお仕事です。その傍ら、個人で Meity電車遅延なう梅酒.in#グラドル自画撮り部 の部室といったネットサービスを開発・運営してます。梅酒と草野球とリアル脱出ゲームが好きです。

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