F.Ko-Jiの「一秒後は未来」

SNSの特徴 - 人間関係の距離を一定にするということ

mixiGREEを代表とするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の特徴の一つに、「人間関係の距離を一定にする」という特徴がある。なるべく分かりやすく説明するために、2つの図を用意してみた。以下の2つの図においてA~Eはそれぞれ、

  • A:自分
  • B:自分のごく親しい友人
  • C:会社の同僚、学生時代の同級生
  • D:Cの友人で、自分とはネット上での知り合い
  • E:Bの友人であるが、自分とは赤の他人

をあらわすとする。

sns-distance-2.jpg

まず、この図は自分(A)を中心とした実際の人間関係を示したものである。

自分との人間関係の距離は、親しい友人であるBが最も近く、例えばその次はC、その次がDとなり、Eに至っては赤の他人であるため距離はもっとも遠く、関係すらない。Bに対してはプライベートな相談ができるが、それ以上関係の遠い人にはできない。

BとCは実際に会ったことがあるので連絡先を知っているが、DとEは連絡先を知らない。これがごく一般的な人間関係と、その距離である。

では、SNSではこの人間関係は、どうなるだろうか。Aから見た人間関係をSNSに持ってきたものを次の図に示してみた。仮定として、A~Eの全員がmixiのような同一のSNSに招待されており、BとCとDはAの「SNS上での友人」であるとする。

sns-distance-1.jpg

この図に示されるように、SNS上ではAから見てBとCとDが一定の距離となる。これは、各々がリンク一つで結ばれているためである。また、実際には赤の他人であるEは、Bを通じて友人の友人という関係、すなわちリンク二つの距離ということになる。BとCとDのページには、Aの日記や写真の登録・更新情報が逐一表示される。

これらの図によって、「人間関係の距離を一定にする」という意味は掴んでもらえたと思う。よくSNSを「社会の人間関係をインターネット上に持ってきたものである」と表現することがあるが、実際にはこのように人間関係の距離が変化してしまう。このSNSの特徴は、メリットでもあるしデメリットでもある。

メリットは多い。SNSが人気を呼んでいるのは、むしろ「人間関係の距離が一定になる」という特徴が多くのメリットをもたらしているためであろう。例えば日記にひとつ相談を書き込むと、多くの人からアドバイスをもらえる。見ず知らずの人からコメントがもらえたりする。また、長い間音信不通だった知り合いを見つけることもある。赤の他人だった友人の友人と知り合いになれることもある。こういったメリットはSNSユーザなら一度は感じたことがあるだろう。

だが、ここで書きたかったことは申し訳ないがデメリットのほうである。

SNSではプロフィールを公開したり、日記を公開したりできる。例えばAが日記でプライベートな内容を書きたいと思った場合、「友人まで公開する」という設定にしていても、実際にはそれほど親しくないCとDまで日記が閲覧可能となる。ましてや「友人の友人まで公開する」という設定は、赤の他人のEにまで公開することになり、「全体に公開」という設定ではSNSの参加者全員に日記を公開することになる。プロフィール情報についても同様である。これにより、日記やプロフィールに書く内容は、自ら選別したり制限したりせざるをえなくなる。これがデメリットの一つである。

さらにこのデメリットがSNSにもう一つのデメリットをもたらす。それは、SNS上で知り合いを見つけたとしても、友人としてリンクを申請するかどうかためらってしまう、というデメリットである。そのためSNS上で友人のリンクを増やすことができず、多くても20人程度のこじんまりとしたネットワークを保っていくことになる。もちろん誰から見られても構わない日記を書いている人にとっては、まったく関係のない問題であるが。

これらのデメリットを解決する方法はある。それは、SNS上に実際の人間関係の距離を導入する方法である。例えば0から10までの値を友人や日記に設定したり、友人をいくつかのグループに分けたりすることで実現可能である。

例えば0から10までの値を設定する方法の場合、0は自分自身を示し、10はリンクしていない赤の他人を示す。それ以外の1から9までを友人に設定することにする。値が小さいほど親しい友人であるということを示す。そして、プロフィールや写真、日記の記事に対しても0から10までの値を設定できるようにする。12月29日の日記に0を設定すれば自分自身だけが閲覧できる非公開日記となり、1を設定すればごく親しい友人のみ閲覧可能な日記となる。

「人間関係を一定にする」という特徴はどんなSNSであっても実現できる機能だが、「人間関係の距離を実現する」というのはあまり実装されていない。しいて挙げるなら誰でも非会員でも閲覧可能なlivedoorフレパにあるグループ機能だろうか。会員数は著しい伸びを見せるmixiであるが、最近はGREEと比較してもあまり新機能の追加がなされていないようである。これからさらにmixiのトラフィックを伸ばそうとするなら、「人間関係の距離」という点に着目したらどうだろうか、というのが私の意見である。

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著者について

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F.Ko-Ji

Webエンジニアやってます。最近は ドットインストール の開発がお仕事です。その傍ら、個人で Meity電車遅延なう梅酒.in#グラドル自画撮り部 の部室といったネットサービスを開発・運営してます。梅酒と草野球とリアル脱出ゲームが好きです。

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