血液型とノロウイルス感染に関する研究が進んでいる
今年の冬は例年以上に世間を騒がしているノロウイルス。感染を予防するためには生牡蠣などの二枚貝を食べないようにすることと、手洗いをしっかりすることが第一です。
さて、これだけ毎日ノロウイルス感染のニュースが報道されていると、自分も感染してしまうのではないかとネガティブになってしまいますが、今回は血液型によっては感染しにくい人もいるという研究を紹介します。
カキにあたる人、あたらない人(ノロウイルス、組織・血液型抗原)/トピックス/広島市
最近になり、ノロウイルスはこの組織・血液型抗原をレセプターとして利用していることが報告されました。このことは、ある血液型の人は、ノロウイルスのレセプターがあり、ノロウイルスに感染し、発症するが、違う血液型の人にはレセプターがなく、ノロウイルスは感染することができず、当然発症もしない、というように、血液型により、ノロウイルスが感染できたり、できなかったりすることを意味しています。
広島市のサイトですが、とても詳しく説明されています。また、他のウイルスと同じく一度感染すると免疫ができるため、「私たちの多くは子供の時、幾つかのタイプのノロウイルスの感染を受けており、大人になる頃にはほぼ100%の人がどれかのノロウイルスに対する免疫を持っています。」とも説明されています。
77 人のボランティアにノーウォークウイルスを飲んでもらい、その後の経過を観察しました。この結果は実に明快なもので、 55 人いる分泌者のうち、62%に相当する34 人が発症したのに対し、非分泌者である22 人のボランティアは誰も発症しませんでした。
これは特定のノロウイルスに対する実験で、「血液型を決める抗原を体液に分泌する人と分泌しない人がいて、分泌しない人はウイルスのレセプターが存在しないために感染しない」という仮説を検証したものです。この体質の人は発症はしませんが、知らないうちにウイルスを体内に取り込んでいる可能性があります。
小中学校で発生した集団食中毒におけるノロウイルスとABO式血液型の関係―アンケートに基づく実態調査―
解析の結果,最も高い発症率を示した血液型はA型で,71.1%(187名中133名)が発症していた.一方,最も低い発症率を示したのはAB型の55.3%(47名中26名)であった〔P(Z0)<0.025〕.
このアンケート結果にあるように、どの血液型でも感染者はいます。しかし、AB型は比較的発症率が低いという推測がされています。
著者らの結論では、血液型O型およびA型がもっとも発症リスクが高いという。逆にB型で、さらにルイスb陰性の人は、感染はするが発症しにくい。これらの糖鎖抗原は小腸粘膜の上皮細胞、赤血球や唾液などに認められる。キャリアになるのは、B型人間が多いということになる。
これも研究結果のひとつの紹介で、やはり血液型によって発生しやすい人としにくい人がいると説明されています。
ほかにも「ノロウイルス 血液型」で検索するとたくさん情報が出てきます。このように、ノロウイルスに感染する人しない人がいるわけですが、ウイルスには数多くの種類があるので注意しましょう。
個人的には、生牡蠣を調理したり食べたりしないでくれと声を大にして言いたいです。
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