クローキングには良いクローキングと悪いクローキングがある
「はてなブックマークのやりすぎちゃったかもしれないSEO – ぼくはまちちゃん!(Hatena)」にてクローキングの話が盛り上がっているようです。
クローキング(cloaking, cloak)は英単語としては「覆い隠す」という意味で、ひとえにクローキングと言っても Google などがダメだと言っている「悪質なクローキング(Black Hat Cloaking)」と、そうでない「良いクローキング(White Hat Cloaking)」があります。
Googlebot にのみユーザと異なるURLにリダイレクトさせ、その URL から返されるコンテンツが Googlebot から見てもユーザから見ても同一のものであるなら、今のところそれは悪質なクローキングとは見なされていません。
もしそれが悪質なクローキングであれば、それは Amazon がすでに何年も前からおこなっていることなので、すでにスパム行為として Google から除外され、問題化しているでしょう。
また、その行為自体が悪質なクローキングと見なされないのであれば、URLに含まれるキーワードは検索結果の順位には影響を与えないと考えることもできます。
ではなぜ URL にキーワードを含めたほうが良いように見えるのか、ということですがGoogle の Matt Cutts 氏がよく言っているのは「ユーザビリティの観点」です。
たとえば次の記事を見てください。これは SMX 2008 というイベントに行かれた方のレポート記事です。Developer SectionにてGoogleやYahooやMicrosoftの中の人がパネリストとして登壇したものです。
まず、「短く、キーワードそのものをハイフン区切りで含むURL」は、検索順位向上というよりはクリックスルー向上の観点から薦められているらしい。別に URLを人手で打つのに便利だったり、クローラーがコンテンツマッチの一環としてURL中のキーワードを見ているということでは全然ないらしい(Googleのクローラー担当のエンジニアの人もURLが可読かどうかは全く考慮していないと言っていた)。
ただ単に検索結果のURLの部分にパラメーターがグシャグシャ並んでいるような結果よりも、読みやすいURLの方が検索結果のクリックの確率が高いでしょ?ということのようなのだが、本当にクリックスルーが高いのか?を立証するようなデータは示されなかったので、何が根拠でそう言われるようになったのかが結局よく分からなかった。
» 出張Day3 – SMX 2008 Developer Section 技術的側面からSEOを考える – お題目うぉっち
要するにURLに適切なキーワードを含めることで順位が上がるという証拠はどこにもなく、むしろURLが可読かどうかは考慮されておらず、単純にユーザビリティの観点から「良い」とされていることです。
このレポート記事はクローキング等についても参考になることが書かれています。クローキングでやってはいけないことの中に「クローラーにだけ一般ブラウザと違うレスポンスを返すこと」ってあるのが少し気になりますが。おそらく探せば動画や英語記事もあるのではないかと。
個人的には以前「はてブの検索エンジンに見せるURLがAmazonっぽくなってるが」という記事で指摘した2点
- 半角スペースが%20にエンコーディングされている点
- タイトルが変更されうるという点
があるので、はてブ的には微妙な施策じゃないかと思ってるんですが。もしGoogle的にNGだったら Amazon も はてブ も共倒れってことでいいんじゃないでしょうか。
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