[あとで見る]

2005/12/25 00:10

TBSのブロードキャスターで、いわゆる「耐震強度の偽装問題」について放送されているのを見ていて、テレビ番組というメディアはやっぱり情報の伝え方がウマイと思った。というのは、この偽装問題を今年起きたJRの脱線事故や明治安田生命の保険金支払拒否問題、コクドの堤前会長逮捕、JALの航空機問題など、企業としての体質を問われる問題と絡め、さらにノンフィクション作家のコメントや一級建築士による設計図検証といったものを交えて、うまく構成していたからだ。

また、フィギュアスケートで浅田真央がトリノ五輪に出場できない問題に対しては、日本スケート連盟の対応のまずさを分かりやすく伝えていた。「この放送を一回見れば全てが分かる」といったまとめ方をしているのだ。ネット上でニュースサイトやブログを巡回して情報を集めるより断然早い。

もともと私たちは、このように問題や情報を分かりやすくまとめてくれるメディアを望んでいるのだ。はてなブックマークでいわゆる「まとめサイト」が人気エントリーになりやすいことからも、この性質が見て取れる。だとすると、「面白いテレビ番組や、情報をうまくまとめたテレビ番組を共有したり発掘したりする」というサービスに需要があるのではないだろうか。

すなわち、ソーシャル・ブックマークのテレビ番組版だ。ただ、テレビ・ブックマークが成功するには、テレビ局の垣根を越えなければならないだろう。理想としてはフジテレビ、TBS、テレビ朝日、日本テレビ、テレビ東京、NHK、その他もろもろの地方テレビ局やBS・CSも巻き込んでほしい。インターネットに垣根はないが、テレビ局には垣根がある。なかなか困難な問題である。

テレビ番組に、[あとで見る]というタグをつける時代は来るだろうか。