ユーザビリティ会議 - すべての問題の解決は観察する所から始まる
11月7日に開催された100SHIKI PR Board x beBit主催のユーザビリティ会議に参加してきました。この5ヶ月間、会社で提供しているサービスのユーザ・インタフェースを一新するプロジェクトに関わっていたので、私自身ユーザビリティに対して関心が高い状態で参加できました。
beBitはユーザビリティ専門のウェブコンサルティング会社です。ユーザビリティ 実践メモは以前から購読させていただいていますが、ウェブサイトのユーザビリティについてのTIPSが数多く紹介されています。
詳しい会議の様子は「ユーザビリティ会議レポート:実績があがるサイトの秘訣を探りました | 100SHIKI PR Board」を見ていただくと、とてもよく分かります。そのページのトラックバックにある参加者のみなさんの参加レポートも必見です。
ということで、ここでは全体会議で私がユーザビリティに絡めて考えたことと、そこからさらに考えたことについて書いていきたいと思います。
全体会議のお題は、
1. イベントで印象に残ったことは?
2. それを世の中の流行や社会問題、ビジネスなどに結びつけられる?
3. さらになんらかの調査結果を加えるとしたら?
4. それを記事にするとしたらタイトルは?
というものです。
私の場合「ユーザビリティの改善点はユーザの行動を観察して初めて分かる」という内容が印象に残ったのですが、この理論は例えば学校でのいじめ問題の対策方法にもつながるのではないでしょうか。
「いじめ」はしばしば教師の目が届かない場所で起きています。また、教師は子供が発しているSOSに気づきにくいと言われています。もちろん教師自身がいじめに加担するような事件は論外ですが。
教師が生徒を常に観察できればいいの?だったら監視カメラをつければいいの?と思われるかもしれませんが、それは行き過ぎでしょう。まずできることは、生徒一人ひとりの様子をよく見つめることです。そして、話をすることです。また、同様に親も子供の様子をきちんと観察することが必要です。これがいじめ予防の基本。
そこからさらに一歩踏み出すならば、いじめの発生している現場を観察することが必要かもしれません。観察をした結果、例えば「いじめは教師が職員室に戻ったときに発生しやすい」ということが分かるかもしれません。職員室は教室から離れた場所に作られている場合がほとんどです。他にも教師の目の届かない場所というのが学校にはたくさんあります。また、教室という空間が生徒に対してストレスを与え、その発散方法としていじめが行なわれているということが分かるかもしれません。
そうすると、校舎自体をいじめが発生しないような構造に作り変えるという対策が有効だという結論に達するでしょう。職員室に問題があるのなら、職員室から教室の様子が見えるように作り変える必要があります。教室という空間に問題があるのなら、教室の壁を撤廃してすべての教室をひとつのホールにしてみるという発想が生まれるかもしれません。
かなりユーザビリティから話が逸れてしまいましたが、問題となっている現場を観察するということは、ウェブサイトのユーザビリティ改善だけでなく、社会問題の解決にも役立つのではないかということが私の考えるところであり、今回のユーザビリティ会議で学んだところです。
最後に今回の会議でプレゼンをしてくださったbeBitの武井さんが書かれた本をご紹介。この本は会議の参加者全員にプレゼントされました。
ユーザ中心ウェブサイト戦略 仮説検証アプローチによるユーザビリティサイエンスの実践
ちなみにこの本、1週間ほど前に本屋で購入しようかどうか迷っていたので嬉しかったです。
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