ブラウザが「速い」って何だろう?
「Google Chromeよりも速いブラウザーが登場」という記事より。
Lunascape 5 alphaには、TraceMonkeyというJavaScriptエンジンが搭載されているらしく、ベンチマークではChromeより速かったという。ただJavaScriptのベンチマークだけで「Google Chromeより速い」というのは早とちりな気がする。
Lunascape 5 alphaのサイトには「3種類のレンダリングエンジンを最適なものに半自動的に切り替える」というあたりもアピールポイントとして挙げられているが、このことについて書いてあったとしても、まだ「速い」と言い切るのは早い。
実際にLunascapeをインストールして使ってみると、Google Chromeが「速い」と評価されるポイントがいくつか見えてきた。
まずはインストールから起動までの速さ。Chromeのほうはインポートについて聞かれたくらいでインストールから起動までスムーズだったが、Lunascapeのほうは複数レンダリングエンジンのインストールがあり、しかも1回目はGeckoプラグインのダウンロードに失敗した。さらに起動時にGeckoエンジンを選択すると、それから「Geckoエンジンの初期化」みたいなのが数十秒開始された。
次はショートカットキーを覚える速さ。Google ChromeはFirefoxのショートカットキー操作と共通するものが多い気がする。Ctrl + L でロケーションバーにフォーカスが移動したり、新規タブはCtrl + Tだったり。Lunascapeは Ctrl + T を何度押してもタブは開かず、タブを開くのは Ctrl + N だったし、Ctrl + Lでロケーションバーにフォーカスは移動しなかった。つまりGoogle Chromeのほうがすぐに操作に馴染めるのだ。
さらに確認を求めない速さ。Lunascapeは何か初めての操作するたびにダイアログが開いて確認を求められる。ダイアログが出るということはそこで操作が止まるということ。これでは第一印象がよくない。Google Chromeに感じる「速さ」には、そのような余計なダイアログを出さないという点もあるのではないだろうか。
さらに気になったのはマウスホイールでスクロールする速さ。これは比較するとよくわかるが、マウスホイールの1回の回転でスクロールする量がChromeと比べてLunascapeは少ない。つまり縦に長いページを移動するのに時間がかかってしまう。
このように、ブラウザの「速さ」というのはレンダリングに関わるポイントだけでなく、使いはじめや、使い続ける中での使いやすさといった点もかなり大きいのではないかと感じた。
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