『秋の牢獄』 - 恒川光太郎 著
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最近読んだ小説ですが、単行本は2007年、文庫本は2010年に刊行されたものなので新しい作品ではないです。去年タイムリープものの小説を読もうと思ってまとめ買いした中の1冊。
タイトルにもなっている「秋の牢獄」という作品に加えて「神家没落」「幻は夜に成長する」というあわせて3つのお話が収録された短編集です。いずれも70ページ弱なのでさらっと読めます。
タイムリープネタなのは「秋の牢獄」のみだったのですが、タイムリープではない「神家没落」と「幻は夜に成長する」のほうが個人的には面白かった。角川ホラー文庫の作品なので多少のホラー風味もあります。「秋の牢獄」は現代的作品だなと感じたけど、残りの2作は作品の中の世界が現代なのか遠い昔なのか分からなくなるような不思議な世界観があり、同じ著者の他の作品も読みたくなりました。
タイムリープの種類としてはよくある「同じ1日を何度も繰り返す」というタイプ。タイムリープの抜け方に関してはユニークな要素ですが、ネタバレになるので控えておきます。
同じ1日を繰り返す主人公は記憶を持ったまま何度も何度も同じ日を過ごします。記憶があるので、同じ1日を繰り返すとはいっても感覚としては別の1日を過ごしているように感じるかもしれません。自由に何でもできる反面、お金は増えても減っても物を買っても朝が来るとまた元に戻ってしまいます。絶賛放送中のドラマの続きは永遠に見られないですし、ドラクエも毎回最初からやらないといけなくなるのでつまらないですね(笑)
明日が来る世界でよかった。
秋の牢獄 (角川ホラー文庫) (恒川 光太郎)
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