合理的選択理論とは何かがわかる本「人は意外に合理的」
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最後まで読みました。いやぁ、長かった。第3章まで読んで面白かったので紹介しようかと思ったけど、AMN経由でいただいた本だし、最後まで読んで面白くなかったらそれも困るので342ページすべて読みました。
邦題は「人は意外に合理的」とつけられていますが原題は「The Logic of Life」。つまり日常生活の論理。著者は「まっとうな経済学」という本を書いているティム・ハーフォード氏という経済学者です。
内容の大半はアメリカやヨーロッパの社会や生活や歴史を元に書かれています。たとえばシカゴの少年少女のあいだではオーラルセックスが流行っているとか、ラスベガスでのポーカー大会とか、黒人に対する人種差別の問題とか。それらを例に一見不合理に見える彼らの行動が、合理的選択理論によって実は非常に合理的であると論証されていきます。
もちろん私たちの生活の中にも合理的な判断というのが数多くあります。
- 飲酒運転が減ったのは飲酒運転の厳罰化に対して人々が合理的に反応したから
- 風邪をひいていない人がマスクをするのはマスクを買うコストより風邪をひくリスクのほうが高いと判断したから
- 喫煙率が下がっているのはタバコの価格が高騰したから
- タバコをやめない人は健康へのリスクよりタバコを吸うことの快感にインセンティブを感じるから
本書では経済学者による様々な実験が紹介されていて面白いのですが、内容が難しいところもあります。
個人的にもっとも共感できる事例だと感じたのは第7章「ギザギザ化する世界」で取り上げられている、
- 人々はなぜ家賃や物価の高い都市に住むのか
- 地方に移転すれば安い給料で労働者を雇えるのに会社はなぜそうしないのか
- インターネットが普及して情報が入手しやすくなってもなお人々が都市に住むのはなぜか
といった問題です。ティム氏はこういった問題に対して合理的な理由を論じています。
最初にも書いたようにそれなりに量がある本なので、実際に中身に目を通してから定価の1,800円と照らし合わせて合理的な判断をした上での購入をオススメします。
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