忘年会議2008 イベントレポート
今年も忘年会議2008に参加してきました。忘年会議2006、忘年会議2007に続いて3回目の参加です。
今回のプログラムは以下の通り。
- 第一部 発表!究極ランキング!
投稿から読み解く「究極のウェブ」ランキング。 - 第二部 特別ゲスト
「夢をかなえるゾウ」を書いた水野氏を招いて来年「夢をかなえるための」ヒントを一緒にさぐる。 - 第三部 検索キーワードで読み解く2008年
Yahoo!検索チームから、検索キーワードのデータを使って2008年を振り返る - 第三部 主催者2008〜2009
主催者の二人は2008年に何を考え、2009年に向けて何にチャレンジするのか。 - 第四部 全体会議
わいわいと交流しながら来年のトレンドを議論
第一部: 2008究極のウェブランキング
第一部は毎年恒例の究極のウェブランキング。今年は以下のようなランキングでした。1位から簡単な説明付きで紹介します。
- 第1位 Dropbox
複数のPC間でファイルを同期できるオンラインストレージサービス。ファイルのバージョン管理も可能。(参考: Dropbox: みんなが待ち望んでいたオンラインストレージソリューションかも) - 第2位 Evernote
ユーザが収集したデジタルデータをオンラインにインデックスしてくれるオンラインメモツール。(参考: 最高のオンラインメモツールとしてのEvernote:[mi]みたいもん!) - 第3位 あのひと検索 SPYSEE
セマンテックウェブ技術を使ってある人物に関連する情報や関連する人物の情報をごっそり表示してくれるサービス。(参考: ねとらぼ:あの人のすべてが丸分かり!? 人物検索「SPYSEE」 – ITmedia News) - 第4位 TechTalk.jp
技術系イベントのプレゼン動画をニコニコ動画で管理しているハブサイト。 - 第5位 相互添削型SNS Lang-8
ある言語で書かれた日記をその言語が得意な人が添削してくれるSNS。(参考: ひとりで作るネットサービス:【番外編】目指せ日本発、世界初——相互添削SNS「Lang-8」の学生起業家 (1/2) – ITmedia Biz.ID) - 第6位 Auto Vocoder Box β
音程の不安定な歌声を完璧な音程にしたり、ホールの響きを追加等の音編集ができるオンラインソフトウェア。(参考: SHOWCASE|Y2 PROJECT) - 第7位 GYOROL
PCを釣堀、ケータイを釣竿に見立て、PCとケータイをリアルタイムに連動させて釣りゲームを楽しむサービス。(参考: FACEs: Gyorolサイト公開) - 第8位 リグレト – みんなで「ヘコむ」を楽しもう!
悩みや後悔などを匿名で打ち明け、みんなになぐさめてもらえるサイト。(参考: なぐさめサイト「リグレト」生んだ、音大出身のアーティスト社長 – ITmedia News) - 第9位 終電.jp
今いる場所の最寄り駅から自宅の最寄り駅までの終電をワンクリックで検索できるサービス。(参考: 1クリックで終電検索できる「終電jp」つくりました! (treasuring misc.)) - 第10位 やる夫見聞録
みんな大好き、やる夫のまとめサイト。
第二部: 「夢をかなえるゾウ」の水野敬也さんQ&A
第二部には今年のベストセラー「夢をかなえるゾウ」を書かれた水野敬也さんが登場。事前に投稿されたいくつかの質問に水野さんが答えるという形式でおこなわれました。
質問と水野さんの回答(オフレコを除く)をざっくりとメモしておいたので書き出しておきます。
- Q. 夢をかなえるゾウは何をヒントに生まれたの?
- A. 自己啓発書は何冊も読んでいたがどれも気持ち悪いものだった。なぜかと考えると著者が教祖的な存在に見える。書いてる内容にツッコミがない。それで「神様にボケ」「主人公にツッコミ」という役割を与えてみた。
- Q. どうしてゾウなの?
- A. ガネーシャに特にこだわりや思い入れはなかった。某検索エンジンで「神」を画像検索したものをバーっと見てみると1個だけ明らかに変なものがあって、それがガネーシャだった。
- Q. タイトルのネーミング候補は他にあったの?
- A. 「ゾウさんの教え」とか「あんみつ」とかがあった。著者的には「ゾウさんの教え」を推していたがそれでは内容がわからないので却下された。
- Q. 課題はどのように考えたの?
- A. 課題のコンセプトは「1日単位でできること」。最初は365日分を1年半くらいかけて全部集めてみたが、神様のストーリーにすることによって多すぎとなり、そこから削っていった。
- Q. 一番好きな課題は?
- A. 「応募する」
- Q. これまで失敗してきたことってあるの?
- A. 人生ほとんど失敗だった。就活に失敗、就職しても25才で無職になり、そのあと「ウケる技術」を書いたらヒットした。
- Q. 第2弾の予定は?
- A. 書籍ではなく映画化の予定はあり。(参考: バラエティ・ジャパン | シネカノン創立20周年に向け新体制)舞台はまもなく。(MSN We舞台「夢をかなえるゾウ」)
- Q. 自分が他の人と違うと思うところは?
- A. 服を全部捨てたときに「俺ステキ」と思ったとこ。捨てるのが好き。
- Q. 独自の発想法を教えて!
- A. ダメ出しから逃げ続ける。ブレストでは「やべ!思いついちゃいました」で話し始める決まりがある。
- Q. 本を書く時に気をつけてることは?
- A. このフレーズさむくないか?と自分に問う。
- Q. これまでにもらった面白いプレゼントは?
- A. あんみつ。手紙を読んでみるとあんみつの宣伝だった。
- Q. モテタイんですが・・・
- A. 本が売れてもモテない。
という感じで、最初から最後までかなりハイテンションな水野さんでした。そんな水野敬也さんは最新作「大金星」を発表しています。
第三部: 検索キーワードで読み解く2008年
第三部は昨年に引き続きYahoo!の検索サーファーの方による「検索キーワードで読み解く2008年」のプレゼン。今年はこんなキーワードがよく検索されたとか、検索ワードにこういう傾向が見られたといった内容でした。個人的にメモした内容は以下の通りです。
- 2007年は mixi > YouTube だったが、2008年は YouTube > mixi。
- mixi、Greeはモバイルでの検索も好調。ただしmixiとGreeの検索数の差は天と地ほどある。
- モバゲータウンはTBSでの紹介、PC版の公開などで検索数が跳ね上がった。
- pixivやプーペガールが若年層に人気。
- 一方で30代以上の男性がよく検索するキーワードは「倒産」や「株価」など不況に関するもの。
- 「MUTEKI」がオトナなスマッシュヒットキーワードだった。
- 「MUTEKI」は「バイト」よりも検索数が多い。
- 「MUTEKI」は25〜44才の男性が多く検索しているが、「アダルト」は35才〜65才の男性が多く検索している。
- 似たようなジャンルのキーワードは検索トレンドも似た傾向を示す。
- 芸能人は、まとめ本や自伝を出すと検索数が下がり始める。(上地雄輔、若槻千夏など)
- SecondLifeは右肩下がり。もうだめぽ。
- 2008年のアルファは「池田信夫」。
- CMに関しては「キャラクター名 + CM」というキーワードが目立った。
- 「夢をかなえるゾウ」はドラマ化前から35〜44才女性の層がよく検索していた。
- 「勝間和代」はブームの前は男性、ブームの後は女性がよく検索している。
第三部: 主催者2008〜2009
ここでは主催者の田口さんと橋本さんの2008年と2009年。田口さんがブロガー・リレーションについて語っていたので紹介しておきます。
- 1. 成功とは何かを定義する。
効果はかなり限定的なのでよく考えてから実施する。 - 2. ブロガーのアクセス数を増やすように考えるとうまくいく。
ひとつの例が「まとめサイト」を作ること。 - 3. 長く付き合う
一回きりにせず、個人的に仲良くなるくらいロング・スパンで付き合っていくとうまくいくのではないか。 - 4. チーム。
そこに誰が集まっているかが大事。場を盛り上げてくれる人や、言っていること以上のことをやってくれる人など。 - 5. 同じことをやっていても飽きる。
同じことをやっていてもバナー広告のように飽きてしまう。常に新しい試みをおこなっていく。
第四部: 全体会議
第四部は全員参加の全体会議。出されるお題に対して回答を考え、良いアイデアのグループには商品が出ます。毎年忘年会議のお題はむずかしいなぁと感じているのですが、今年もけっこう難しかったです。
2009年の景気後退で新たに社会現象となった「 」問題を逆手にとり、あなたは「 」向けに「 」なるサービスを考案しました。また、そのサービスはネットを使って「 」を実現していたのでリピーター率が極端に高かったのも特徴でした。このサービスの名称は「 」。また、政府はこのサービスを大きく評価し、2009年から2015年までの経済を「 」景気と命名した。
自分はいいものが思い浮かばず、苦し紛れでこんな感じの回答でした。
2009年の景気後退で新たに社会現象となった「 派遣切り 」問題を逆手にとり、あなたは「 派遣 」向けに「 あなたもベストセラー作家になれる 」なるサービスを考案しました。また、そのサービスはネットを使って「 水野敬也と相談できる 」を実現していたのでリピーター率が極端に高かったのも特徴でした。このサービスの名称は「 ユメカナ 」。また、政府はこのサービスを大きく評価し、2009年から2015年までの経済を「 ユメカナ 」景気と命名した。
最終選考に選ばれたアイデアについてはメモしていないので、「忘年会議2008」で検索してみましょう。
というわけで、今年も楽しく充実した忘年会議でした。
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