iOS向けKindleアプリは入稿前と入稿後でKindle Format 8の表示が違う場合がある
Kindle関連エントリーが続いてますが、まだまだ続きますよ。今回「マフモコスナップ」のコンテンツ作成時に最も苦労したというか、ハマったところがiOS向けKindleアプリでの「表示」でした。
ただ単にうまく表示できないというだけでなく、入稿後にAmazon側で変換されたコンテンツならiOS向けKindleアプリで正常に表示される場合があるのです。これを知らないと、検証に余計な時間を費やすことになってしまいます。
入稿前にKF8の固定レイアウトが思い通りに表示されない…
今回Kindle Format 8(KF8)というKindle独自のフォーマットに従ってコンテンツを組み、Kindle Previewer を使って .mobi ファイルに変換したものをそれぞれの端末に転送し、表示を確認するという手順で検証していました。
Kindle Fire HD や Kindle for Android では思い通りの固定レイアウトで表示できたので、念のために iPhone/iPad でも確認しておこうかと思い、コンテンツを転送して表示してみたところと、なんと写真周囲の余白が消えていないという状態に。
↑ こんな感じ。(入稿前に Kindle Previewer で作った .mobi ファイルで確認/iPhone4)
これだと見開きで真ん中に白い区切りが入ってしまい、残念な感じになってしまいます。
↑ こんな風に。。(iPad)
Kindle本の漫画や写真集を購入したことがある人なら分かると思いますが、画像周囲の白い余白は消えて、画面の横幅いっぱいに表示される書籍がほとんどです。で、これは OPF ファイルに以下のような meta タグを記述することで実現されます。
<!-- Kindle Format 8 での固定レイアウト(comic属性、余白なし) --> <meta name="fixed-layout" content="true"/> <meta name="book-type" content="comic"/> <meta name="zero-gutter" content="true"/> <meta name="zero-margin" content="true"/>
↑ 本当はこうなるはず。(Kindle Fire HD)
KF8のガイドラインに従っていたはずなので、OPFに記述したmetaタグに問題があるのか、それともCSSや画像サイズに問題があるのかまったく原因が分からず、色々とネットで調べて試行錯誤してみたものの、まったく効果がありませんでした。
KF8の公式サンプルも同じ状態だった
そんな状態なので、もしやそもそもKF8のコンテンツはiOSでは正常に表示できないのではないかという疑念が生じ、試しに Amazon の「Kindle Format 8 Overview」のページからダウンロードできるKF8の公式サンプルを表示させてみたところ、やはり余白は消えていませんでした(苦笑)。
↑ こういう状態。本当は2ページ分表示され、横の余白は消えるはず。(iPhone4)
公式サンプル自体がまともに表示されないということは、iOS向けKindleアプリのほうに問題があるということになります。
iOS向けは入稿後に正常表示される可能性が…
さらにネットで調べてみると「iOS向けはAmazon側の変換後でないと確認は無理」といった情報もチラホラあったり。
とりあえず、KF8については、iOSを対象外とし、Amazon側の変換後に確認。問題があれば、停止 twitpic.com/c1phxm
— common style (@commonstyle) February 8, 2013
もうこれはiOS向けはあきらめよう結論に達し、そのままAmazonに入稿することにしました。
そしてAmazonの審査も通ってめでたく出版完了。試しに購入したコンテンツを iPhone に転送して表示してみたところ、
↑ 正常に表示されている!w (購入後のコンテンツで確認/iPhone4)
余白もきちんと消えて、見開きページも思い通りに表示できていました。(逆にiOS向けに試行錯誤していた時に変更してしまったCSSの影響で、Androidのタブレットでうまく表示されないという副産物が…。)
そういうわけで、KF8に従って作成したコンテンツが入稿前にiOS向けのKindleアプリで思い通りに表示されなくても、入稿後に変換されたコンテンツは正常に表示される可能性があります。もちろんそうでない場合もありますが、これからKindle本を作成される方はその点注意しておきましょう。
いやぁ、iOSは罠が多いなw
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